富士浅間信仰

晴山講の富士参詣 絵馬と天狗と卍の向き

江戸時代中期、富士山北口登山道の茶屋として開業した「中の茶屋」(山梨県富士吉田市)に 建てられている、野州晴山講「(右卍) 登山百十一度 晴山永行(大正十年)」の富士講碑。 石碑には紙垂(しで)やワラジが結ばれていた。 (中の茶屋の向い側には、…

足利郡大月村の  「 四世 藤原月旺の御見抜」

足利の大月村住「 斉藤与五右衛門 」の息子「権左衛門」は、江戸の茶問屋で働く 熱心な浅間信仰の信者であり、4世 月旺と共に、毎年富士山へ参拝をしていた。 天和3年、里帰りする権左衛門に誘われた「月旺・月心」が足利の大月村へやってくる。 月旺らと…

かつて大月町の仙元宮にあった社殿の万字

足利市大月町の仙元宮神社 旧社殿の祭壇には 左右の壁に、右万字紋(逆万字)が施されていた。 正面の壁には、「 4世 月旺の御身抜(おみぬき)」が掛けられ 祭壇には、この神社に伝わる「赤富士御影」を祀ったのだろう。 神仏習合の時代、この右万字は「仙…

大日如来の胸に万字

日本に伝わる万字の語源は、仏の胸・手足に見られる吉兆のしるしを意味する梵語 (サンスクリット語)であり、「吉祥」や「万字」と漢訳される。 天平創建当時の製造方法を用いて、CGで再現された国宝・盧舎那仏坐像の 胸には右万字が描かれていた。(NHK BS…

胎蔵曼荼羅と万字

鑁阿寺 両界曼荼羅図(胎蔵界) 胎蔵曼荼羅は、八葉蓮華をかたどる「中台八葉院」を中心に「十三の院」からなり 大日如来の説く真理や悟りの境地を、視覚的に表現した曼荼羅である。 大日如来を取り囲む、4体の如来と4体の菩薩が「五転」と呼ばれる流れを表…

富士山頂の胎蔵曼荼羅

江戸の時代、富士の山頂を『八りう』と呼んでいた。 1300年頃の記録にも、「いただきに八葉の嶺あり」とあり さらに古い時代から『八りう』と呼んでいたと思われるが これは富士の頂上にある 8つの峰(八神峰)のことである。 この八神峰を、密教の曼陀羅に…

八郡参り 三十三社浅間 八社参り

足利北部 名草岡成の「浅間講」では、富士山に登拝する代わりに浅間神社巡りをした。 (名草の浅間講は「お祭りのための講」で、お祭りでは太々神楽や屋台の出店で賑わったという。) この講では、浅間神社参りをするときに「八郡参り(ヤコオリ参り)」をす…

仙元宮の藤紋 絵馬の藤紋

足利市大月町 仙元宮神社に奉納された絵馬の中には 「卍紋」と、その左右に「片手藤」紋が描かれている。 この絵馬に描かれているのは、足利大月町の仙元宮か または、富士山麓の北口仙元社(北口本宮冨士浅間神社)であるのか? 現在の北口本宮冨士浅間神社…

大月 仙元宮 富士行者の供養塔 Ⅱ

木に取り込まれつつある供養塔 長谷川角行 直系の「6世 村上光清 ~ 10世 照清」までの5名の戒名が彫られている。 左側面は、「八世・十世の没年」と奉造立年。 正面の木に埋もれている部分には、中央の「中興開山ごうくう妙王光清居士」(村上光清)より 右…

足利で見られる富士講系図

富士行者 長谷川角行が、足利で布教活動をした文禄年間 (豊臣秀吉が、全国制覇を成し遂げてから数年たった1595年頃) 角行は、岩井村にて水行100日、続いて大月村にて滞在修業をしました。 特に足利郡大月村での布教は、大きな成功を収めたようです。 いま…

足利 富士浅間信仰 一覧のようなもの

足利(旧足利・梁田郡) <河南エリア> ・男浅間神社 田中町(借宿町地内) 合目石・ 胎内洞穴(長谷川角行 霊窟) ・女浅間神社 田中町 逆卍 ・ 川上講石碑 ・四所神社 朝倉町 卍紋水盤 <北エリア> ・仙元宮神社 大月町東耕地 赤富士・絵馬・板マネキ・…

富士浅間信仰って 富士山と浅間山のことなの?

富士浅間信仰とは、富士山を神と見立て崇拝の対象とする信仰である。 浅間神社の語源とされる一例。 1、「浅間」は荒ぶる神であり、火の神である。 江戸時代に火山である富士山と浅間山は一体の神であるとして祀ったとする説。 2、「浅間」は阿蘇山を意味…

「足利市歴史文化基本構想」と「足利の富士山信仰」

足利市では、文化庁の『文化財総合的把握モデル事業』として 『足利市歴史文化基本構想』の策定を、3年にわたって進め 平成23年の3月より一般に公開しています。 このなかのテーマのひとつ「足利の庶民による祈りのものがたり」として 足利における富士…

じいちゃんorばあちゃんの初山ペタンコ (かもしれない)

終戦前(昭和20年頃)の足利富士浅間神社 初山講のようす。 物資が乏しく大変な時代でも、大変賑わっていたことがわかります。 戦時中は、カラフルな足利銘仙を着ることは許されなかったので 黒く染めなおして、モンペに作り変えたりもしたようです。 ペタン…

足利富士の富士山っぽいところ

富士山の場所や高さをあらわすもの 七合五勺目の合目石 富士講元祖と言われる伊藤食行(じきぎょう)身禄が富士山で入定した烏帽子岩・元祖室を暗示している。 この合目石には嘉永2年と刻まれ(西暦1849年)、2012年から 163年前に川上講が建てたもの。 嘉永…

ペタンコ祭りとは 浅間信仰とお七夜儀礼(あやつこ)

栃木県では、子供が生まれて7日目のお七夜に、赤ちゃんの額に鍋墨で「犬」の文字を書き セッチンマイリ(便所参り)をして、子供の無事成長をねがう儀礼がおこなわれている。 「そんなの聞いたことがない!」という人が多いと思うが、いまでも栃木県下では …

初山祭と御朱印 一覧

「 子供の額に御朱印を押す 初山祭 」 <栃木県> 足利市田中町 上浅間神社(男浅間)「初山祭(ペタンコ祭)」 6月1日 足利市田中町 下浅間神社(女浅間) 同上 6月1日 *佐野(安蘇郡)葛生でも、同様の風習が行われていた。 <群馬県> 館林市富士原町 冨士獄…

初山参りって知っていますか? (とある相談事例より)

「足利の初山祭り」への相談事例ではないのですが、参考になる事があると思います。 相談者:「初山参りって知っていますか?」 私は東京育ち、主人は次男で義実家とは車で高速使い1時間半位離れていますが 子供が6ヶ月になる頃「こっちで初山参りがあるか…