足利 女浅間神社で富士登山

数分で山頂に到着してしまう女浅間神社では、登山自体の楽しさを感じる
ことは出来ませんが、少しでも富士登山の気分を味わうために考えて
富士講碑が配置されています。



 女浅間神社富士登山ガイド。

浅間神社の一の鳥居を、富士吉田市金鳥居に見立てると
 石段を登りながら左に曲がるところが(上吉田 上宿)
 右へ曲がって石段を登りきると(北口本宮 冨士浅間神社

石段を登り切った場所を、吉田口登山道の起点と仮定します。
ここから南へと真っ直ぐに進み、右旋して神殿に到着すれば
そこはもう、吉田口登山道の終点(標高3740m)です。

実際の富士山では、この場所に久須志神社(浅間大社奥宮の末社)が
建っています。



もう少し詳しく見て行きましょう。

イメージ 1


南のはしの右カーブにある「小御岳石尊大権現」の碑が
富士山五合目の冨士小御嶽神社になります。

御嶽神社の祭神は、大山祇神オオヤマツミ)の娘「磐長姫命」と
イワナガヒメノミコト)の小神 「桜大刀自命」「苔虫命」です。

木花開耶姫コノハナサクヤヒメ)の姉神で、不老長生の神だそうです。

苔虫命は国歌の歌詞を思わせますし、桜大刀自命やサクヤヒメは
神木の桜を感じさせますね。



女浅間の「小御岳石尊大権現碑」のとなりに建つ富士講碑には、石塔の正面に
穴があいています。
個人的にはこれを、天狗が鼻を突き刺してあけた「天狗穴」と考えます。
小御岳石尊大権現碑がなくても、石塔に丸い穴をあけるだけで
富士山五合目を暗示出来るよという、江戸時代の人からのメッセージ。


冨士小御嶽神社は冨士天狗宮とも称して、小御嶽正真坊という天狗がいるとされ
七月一日の開山祭では、大天狗・小天狗に扮して「お道開き」という神事を行います。

 


 右カーブを少し登った「烏帽子岩」の碑は、富士山七合五勺(現在の八合目)で
富士山の八合目にある元祖室は、富士行者の食行身禄が祭られる聖地になっています。

山梨県の河口湖郷土資料館「富士博物館」には、足利市樺崎町にあった富士講
奉納した食行身禄像が展示されていますし、樺崎町の冨士仙元神社でも身禄像を
収蔵しています。

また、足利には八合目での天拝修業に使う御鏡を写した図があり
これは扶桑教が頒布した写し図のひとつだと思われます。




 山頂の神殿「足利冨士 浅間神社」が富士山の山頂

ここ下浅間だけで富士登山が体験できるのは、お年寄りや女性など富士登山
出来ない人の為の富士塚であるとともに、是より先の上浅間が女人禁制だった
のかもしれませんね。

足利では下浅間だけでなく、家のすぐ裏にある山頂の仙元神社であっても
一度も登ったことがないという女性(お婆さま)の話しも聞きます。