足利の 富士山 手描き絵馬

イメージ 1

岡田商店が戦前に販売していた、富士山の手描き小絵馬 (五十部町新屋敷)

シンプルに描かれた富士山ですが、とても力強く感じられます。


それは、この絵馬の神社幕と富士山が暗示しているデザインを
無意識のうちに読み取っているから?かも知れませんね。



イメージ 2

八坂神社(島田町)で見られる、向い天狗もあり。

色数・手数をいかに減らしてリアルに描き上げるかがポイントのようです。



イメージ 3

絵馬づくり道具の見慣れないカンナ



イメージ 4

泥絵の具や膠(にかわ)が残ったままというのも貴重ですね。

左奥の顔料は、放射性セシウムの吸着資材として高い除染能力があるといわれ
北斎の浮世絵の魅力にもなっているプルシアンブルー(紺青)でしょうか。


粉末の顔料を膠水で溶いて使用しましたが、その膠がとても臭かったそうです。



イメージ 5

型紙から書き取り作成途中のままになった「 両手図 」

富士山図も含めて、約20種類の型紙が残っているそうです。


手描きではありませんが、現在も大手神社の絵馬と「なで守」が販売されています。
また、店内では美術館などにも貸し出された8種類の手描き絵馬を見ることが出来ました。
(非売品)



これらの貴重な手描き絵馬と並んで、雑誌「Memo 男の部屋」の付録
人生必勝絵馬(鬼に金棒人生に金棒)が飾られているのは、かなりの違和感あり。
この絵馬の絵師は水木しげる先生なので、気持ちはよくわかるのですが…



足利では、浅間神社田中町)の絵馬が初山祭りの日に入手可能ですが一年に一度であり
絵柄は富士山ではありませんので、岡田商店さんが昭和10年代に販売していた富士山絵馬が
足利で作られた最後の富士山絵馬のようです。







ps, 1573年7月18日 信長に攻められ、15代将軍 足利義昭が降伏
   きょうは室町幕府が滅んでから440年。